格闘家の皇治が「当て逃げ」

格闘家の皇治が「当て逃げ」の疑いで在宅で検察官送致(いわゆる書類送検)をされた、との報道がされています。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1822274newsdig.tbs.co.jp
報道によると、皇治は、2024年12月東京都内でフェラーリを運転中に街路樹にぶつかって、自車を大破させる事故を起こしたものの、その場から立ち去った疑いがもたれているようです。
報道を受けて皇冶本人がYouTubeを更新し、事実関係を認めています。
www.oricon.co.jp
「当て逃げ」はどのような犯罪になるのか?
皇冶本人のYouTubeによれば、皇冶は「スタッフに電話したけど出なくて。レッカー会社とか保険会社とか、俺分かってなかったから、(略)書類あるやろ思って事務所に戻ってきたんですよね」と事故後警察書に電話等することなく事故現場を立ち去った、とのことです。
これは、道路交通法の報告義務違反になります。交通事故があったときは、事故車の運転者は、警察官が現場にいるときはその警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署の警察官に交通事故に関してを報告しなければなりません(道路交通法72条1項後段)。いわゆる自爆事故で被害者等がいないときでも例外ではありません。この報告義務に違反したときは、人身事故でない場合は3月以下の懲役又は5万円以下の罰金になります(道路交通法119条1項17号)。
皇冶は、「感覚的には自分の7000万円の車が大破して、1人で事故したっていう感覚やったから、もうほんまに人様に迷惑をかけないように早くどけろと思っただけやったからね」等と弁解しているようです。これでは、道路交通法の理解が足らなかっただけでなく、報告義務を怠ったことを正当化しようとしていると受け止められかねません。
皇冶は今後どうなるのか?
既に現場検証等の捜査は終えていますし、著名人で逃亡のおそれはないでしょうから、逮捕されることはなくこのまま在宅で捜査がなされると思われます。
今後、東京地検の検察官が、処分を決めます。街路樹に関しては保険から被害弁償がなされているようですから、略式請求で罰金刑の可能性が高いと思われます。