「NHKから国民を守る党」の立花孝志SNSで男性の住所を公開し、その後その男性が自死された、と報道されています。
newsdig.tbs.co.jp
詳しい経緯は、報道をご覧ください。
SNSで他人の住所を無断で公開することは、どのような罪になるでしょうか。
SNSで住所を晒しても犯罪にならない!
結論から言うと、SNSで他人の住所を無断で公開しても、罪に問われることはありません。この行為を処罰する規定がないからです。
現在の刑法では、プライバシー侵害それ自体を犯罪としてはいません。プライバシー侵害でも、その行為によっては犯罪になります。例えば、
- 他人の自宅に無断で入る(住居侵入罪、刑法130条)
- 他人の手紙を無断で開封する(信書開封罪、刑法133条)
- 医師が患者の秘密を漏らす(秘密漏示罪、刑法134条)
等の行為は、その行為を処罰する規定があるので、犯罪になります。しかし、住所等の個人情報を公開する行為は、これを処罰する規定がありません。
ですから、SNSで他人の住所を無断で公開しても、罪に問われることはないのです。この結論がおかしいというのであれば、法律を改正するしかありません。
民事では損害賠償責任を負う
SNSで他人の住所を無断で公開しても、罪に問われることはありません。とはいえ、何も責任を負わないという訳ではありません。
SNSで他人の住所を無断で公開することは、民事では不法行為になります(民法709条)。民事では損害賠償義務を負うことになるでしょう。
lettalkaboutlaw.net