
日本で最後に死刑が執行されてから1000日が経過したと報道されています。
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死刑執行はどれくらいあったの?
日本では、1989年11月10日に執行があってから、3年4か月以上も死刑執行がない期間がありました。
1993年3月26日、死刑執行が再開されました。その後は、概ね1年間あたり数名に対して死刑が執行されてきました。その中には、統計上その年に死刑執行がゼロにならないように、年末に駆込で死刑執行をしたと思しき例もありました。
2019年12月26日に執行があり、その後約2年間は死刑執行がありませんでした。2020年の死刑執行はゼロです。これは、新型コロナウィルス感染症の影響と言われています。2021年12月21日、約2年振りに死刑執行が再開され、3名の確定死刑囚が執行されました。2021年の執行数をゼロをすることを避けたと思われます。
その後、2022年7月26日、秋葉原通り魔事件で死刑判決を言渡されていた確定死刑囚に対して死刑が執行されました。これを最後に日本では死刑が執行されていません。2025年4月21日で1000日が経過しました。
死刑が執行されないのはなぜ?
死刑を執行しない理由について、法務省は公には明らかにしていませんが、いわゆる袴田事件の影響があるのではないかと言われています。
袴田事件は、2023年3月に再審開始決定が確定し、後に再審無罪判決が確定しました。この事件によって、確定死刑囚の中にも無実の人がいるということが明らかになりました。今の日本は、このまま死刑制度を維持してもよいのかという課題に直面しているのです。
今後の死刑執行はどうなる?
日本に住んでいるとわかりにくいかもしれませんが、死刑制度の廃止は国際的な潮流です。国連では、いわゆる死刑廃止条約が1989年12月に採択され、1991年7月に発効されています。日本では、先程の通り、1989年12月から1993年3月まで死刑の執行がありませんでした。このときは死刑廃条約の影響があったと言われています。その後、死刑執行が再開し、日本は国連から何度も勧告を受けています。
お隣の韓国では、法的には死刑制度が残っていますが、1997年12月に死刑執行があったのを最後に、27年以上死刑執行がありません。韓国は事実上の死刑廃止国と言われています。
法務省は、今後どうするのでしょうか。このまま死刑執行をしないで、韓国のように事実上の死刑廃止国にするのでしょうか。それとも、どこかのタイミングで死刑執行を再開するのでしょうか。
このまま死刑執行がないと、2025年12月の時点で、執行がない期間が1989年3月~19893年3月の期間を超えることになります。このことは政治的には大きな影響があります。法務省があくまでも死刑制度を維持するという立ち位置であれば、2025年中に死刑執行があると思われます。